Fine Weather
«葵生side»

ライブを終え、先輩バンドとの打ち上げでいつにも増して飲んだ。
帰りに駅のバスターミナル付近で、いつもの様にバンドメンバーの芹沢海斗(通称:芹さん)は、ナンパ相手を探していた。

俺は興味無いし、シンガーソングライターだから、恋愛とか出来ないし、しようとも事務所に手続きしたあの日からそう思っていた。

『お』
早速獲物を見つけたらしい。
俺は面倒だったので、芹沢の2、3歩後を歩き、近くのベンチに腰掛けようとした。

ふと目が合った…​…​
『…​…​』

これが彼女との出逢いだった…​…​

目が合って、何故かこの人はいつも芹さんがナンパしてる様な人とは違うんじゃないかという直感が働いて、気付いたら芹さんの元まで行っていた。

しばらく芹さんと女の人は楽しげに話していたけど、気を使ったのかよく分からないけど、「それ、ギター…​…​」俺の後ろに背負っていたのと手に持っていたギターを指して言った。

そんな些細な事に、嬉しく思った。

何だかんだ話は盛り上がり、酔っ払って調子に乗り始めた芹さんは優奈をラブホへと誘っていた。
困った顔をしながらさり気なく断り続ける優奈は、何回か俺に助けを求めていた。

流石に壁ドンされ、身動きが取れなくなった所で助けたけど、どさくさに紛れて耳をパクついて、ついでに酔った勢いと言うことで胸も触っといた(笑)


酔っ払っていた事がバレ、終電も無くした俺達は、散々セクハラ行為をしたにも関わらず、1番近い芹さんの実家まで乗せてくれた。


~芹沢宅~
『芹さん、マジでラブホに行くの?』
今日じゃなくて良いからと、無理矢理日を改めてラブホに行こうと誘っていて、あまりのしつこさに優奈は渋々OKしてしまったのだ。

『当たり前~優奈、上手そうじゃん(笑)』
こいつ…​…​
『寂しいだけでしょ』
正直納得はしてないけど、後は優奈次第なので少し賭けてみた。


~翌日~
『』
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