【完】1輪の花たちは
「ついたー!ここが中庭だよー!」
「中庭は、校舎の真ん中にあるから廊下で歩いてる人たちが丸見えなんだよ…♪」
「へー!どの角度から見ても?」
「うん。ベンチは中央に集まってるからベンチから見ればどの角度から見ても丸見えなの」
「なるほど……」
生徒を観察するならここが良いってことね……。
「あかりー!おかずちょーだいっ!」
「仕方ないなぁ…すみれちゃんったら…♪」
2人はもうベンチに座ってご飯を広げていた。
私も慌てて準備をする。
「あ、ねね?この学校で怪しい行動する人とかいる?」
「いきなりどーしたのー?」
「いやぁ……ちょっと気になってー?苦笑」
「なんかあるかなー?」
「あ、そういえば…。この前3年生と1年生が喧嘩してたよね……?」
「あーね!あれは凄かったよねー!」
「喧嘩???」
「うん!3年と1年の不良グループが校庭で派手に喧嘩しててさー!あれは怖かったなー」
「でも、不良の人たちはいつも派手な事をしては先生に怒られてるよね…」
「ほんとー。懲りないのかねー?」
「今回の喧嘩も怒られてたの?」
「いーや……。今回のは確か…怒られてなかった気が………????」
「いつもとは違う先生が担当したから怒られずに済んだって廊下で話してるのを聞いたよ…?」
「それって誰先生かわかる?」
「ゆりね先生だったよね?確か?」
「うん…」
ゆりね先生……。
一体どんな人物?