【完】1輪の花たちは
さっぱり分からない。
小さい頃に私の両親は離婚をした。
私は父の方で育った。
しばらく、父が帰ってこなくて、心配していた矢先
ここに連れてかれた。
“お父さんの仕事仲間の人だ。お父さんが君を呼んでいるから、迎えに来たよ”
と。怪しさなんてなかった。
なぜなら、私と共に歩いてきた人は昔、会ったことのある人だったから。
お父さんも仕事仲間だと言って紹介していた。
「殺………された?」
「あぁそうさ。元はここのファミリーの一員だったのだが、娘がいるからと、足を洗いたいと、縁を切りたいと言ってきた。そんな事は許されない。なぜなら、ファミリーだからね」
そう言って、親分はニヤリと笑った。
その顔は、まるで逃さないと。君も同じ事をしたら殺すと、言っているようだった。