【完】1輪の花たちは
「………………………………つまり、あれですか。私は今日から父に変わってここで働いてもらうと。そういう事ですか」
「あぁ。そういう事だ。話のわかる娘で良かったよ」
そう言ってまた、ニヤリと笑う。
「………す、少しでも親分を殺そうと企んだら、どうしますか?」
今思えば、この質問はかなりヤバイものだった。
「そうだね。君を殺すしかないかな?」
「殺す。父と同じようにですか?」
「勘違いしないでくれ。私が殺したんじゃない。そこだけは理解してほしい」
「でも、止めようとはしなかったんですよね?それも立派な殺害ですよ」
「君は何を言っているんだい?そういうのが、犯罪組織だろ?」
「……………」
「話は以上だ。君が今日から入るファミリーのグループは君と同い年の子たちだよ。楽しくやるといい」
馬鹿みたい。
こんな話を聞かされて、はいそうですかと納得するわけがない。
気づいたら、私は部屋を飛び出していた。