【完】1輪の花たちは
フキこと、ゆうたは保健委員に入っている。


「保健委員って一番楽じゃない?まぁ、そんなのは偏見だとしても怪我人が出なければトイレットペーパーの整備、石鹸の補充くらいしか仕事がないから放課後は自由に動けるんだよねー」


などペラペラ話していた。

真面目なフリして実はドス黒い性格。

そんな性格を表に出さないあたり、ボスと似てる気がする。
















放課後、本の整理をしていて手が汚れたので洗いに廊下まで出た。


「あ、フキじゃん」


洗い場にはフキが1人で石鹸の補充をしていた。


「あ、スノーお疲れ様」

「うん。フキもおつかれ」

「ありがとう」

「どーお?保健委員は?楽しい?」

「うん。僕、1度でいいから保健委員になってみたいと思ってたんだ。楽だからって理由もあるけど単におもしろそうだったからね」

「そっか♪なれて良かったね♪」

「これもスノーのおかげだよ。本当にありがとう」

「いえいえこちらこそ♪」


という会話をしたのを覚えている。

フキは自分がやりたい事をやりたいようにやっているんだなと思った。



もしかしたら、ファミリーの中で1番落ち着いた生活をしていたのはフキなのかもしれないな。
< 145 / 183 >

この作品をシェア

pagetop