【完】1輪の花たちは
「いや、俺は産まれた時からこういう生活をしてきたから、ここ以外で生活しようなんて思わねーけどさ、スノーはここに来てまだ1年くらいしか経ってねーだろ?」
「色々ありすぎてもう2年経つけどね」
「でも、まだまだお前は新人だ」
「まぁね…?」
「元の世界に戻るなら今のうちだぞ?」
「元の世界に戻りたいとか、今は思ってないよ?」
いきなりどうしたんだろう?
「そうか……」
「なに?どうしたの?」
「いや、俺らもう18歳になるだろ?そろそろ将来のことについて考えねーとなって思っただけ〜。ほら、一応俺、ボスだし?聞いとかないとなって思ってさ」
「そうなんだ………?でも、私はここからいなくなりたいって思わないし、それに、お父さんがここに居た以上、私が役目を果たさないとね」
今思えば、お父さんが殺されて、私がここに来た。
誰が殺したとか私は知らない。
だけど、親分を消せばお父さんの仇が取れるかもしれない。
「………」
ボスには私と同じ思いはさせたくないけど…
私はいつか、親分をこの手で……………
「スノー。ちょっと、俺とベリーで話をしない?」
ずっとソファーで会話を聞いていたアジサがそう提案した。
「う、うん…」
「それじゃ、廊下に出ようか」