【完】1輪の花たちは

ここに入って2年が経つ。


当時16歳だった私は、18歳になる。


世間的には自立する時期。


























「はい。そういう事でお願いします」


「本当ですか!?ありがとうございます!!!!!失礼します!!!!………ムスカ!無事決定したよ!」


「それは安心だな…!」


















最近みんなは慌ただしい。


聞いても上手く誤魔化される。


何をそんなに隠したがっているのだろう。



















「みんな、取り引きは明日だぞ。気を抜かずに頑張ろうな」

「「「「「「Yes ボス」」」」」」


会議が終わって、みんなが自由にする。

聞くなら今しかないのかな……

私はそう思い意を決してボスに聞いてみた。


「ねぇ、ボス。最近みんなおかしいよ?なんか隠してる?」

「…………」

「…ボス?」

「……………」


ずっと俯いてるボス。


「ちょっと〜??」


私はそんなボスの顔を覗き込む


「……え!?」


覗き込んだ顔には涙があった。


「ボス……泣いてるの?」

「……悪い。今はちょっと……」

「なんか……ごめん…」


なんで泣いてるのだろうか……

何かしたのかな…

疑問しかない私の頭。


周りを見ると、みんな悲しそうな顔をして私を見ている。


「どうしたの……………?」


こんな顔をするみんなを初めて見た。


「明日だね…!」


ベリーがそう言い私の肩をポンとたたいた。


「うん…!ボスも気を抜かずにって言ってたし、頑張ろうね!」

「うんっ!終わったら………またラテ飲もうね…!」

「もちろんだよ!」

「俺も俺も!!!!!!また一緒に散歩したい!街を歩きたい!!!!」

「そーね!ユリ♪」

「また俺とオシャレについて語り合おうな…✨」

「だねっ!」

「帰ったらお菓子食べよう…………」

「ふふっ♪楽しみ♪」

「映画………映画行こうね!」

「うん!約束ね!」


みんな、いきなりそんな事を言う。

まるでこの会話が最後かのように、目に涙をためて。
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