【完】1輪の花たちは
「それって…………私を殺すってこと…?」
「…………………………………」
「嘘でしょ……」
「そんな事はさせない。俺はスノーを殺したくない。だから…………薬を飲んでもらうよ…」
そう言って、ボスは無理矢理私の口に何かを入れた。
皆は辛そうにそれを見ている。
「ん〜〜………!やだっ……!絶対飲まないから!」
「だな…」
ボスはフッと笑って自分の口に水を含んだ。
そしてそのまま……
「んっ………!」
私の口に、自分の口を当て…………
「………ぷはっ……」
水を飲ませた。
「ごめんなスノー……」
「………」
「すごく…すごく楽しかったぜ…!スノー!俺は……スノーと出会えて幸せだ…!!!また会えたらいいな………………!リトルガール…………」
「僕も!幸せだったよ!趣味の話ができて!一緒にふざけられて!最高だった!!」
「俺も………初めていいなって思えた女だった……本当は離れたくないけど……………………お菓子……良いのあったら教えてよ…………?」
「スノー!!!ううん!めぐみ!!!!!出会えてよかった!!!!俺……俺!!もう1度人を笑わそうと必死になれた!!!!!ありがとう…………………!!!!!!!!」
「僕だって……!妹が出来たみたいで嬉しかった!!!!!!お兄さんって言ってくれて嬉しかった!!!僕たちは………!!これからも兄妹だからね………!!!!」
みんなの声が段々遠のいていく。
やだ……眠りたくない……
離れたくない………
私だって………!
言いたいことが沢山あるのに……
あるのに…言葉が出ない………
「スノー」
私の身体を支えながら抱いてくれるボス。
耳元で囁きながら言うボスはいままで見た事もないくらいに優しかった。
「俺の…俺たちのファミリーに来てくれてありがとな。皆の素の笑顔を見れたの、初めてだった…それもこれも、全部スノーのおかげだよ………」
「ボ……………ス………」
「へへっ…………大好きだよ……めぐみ……。俺が普通の男子だったら…………付き合えたのかな………」
そんな…………ボス………
私だって………好き。
そう言おうとしたけど、意識がもうろうとして声が出ない。
「……」
ボスが、みんなが何かを言っている。
瞼が重い……
あぁ………
これで……
お別れだ………………
そんな事を思いながら、意識を失くした。