【完】1輪の花たちは
気づいたら私は部屋にいた。
来たこともない部屋だ。
「………」
ベットから立ち上がって部屋を出る。
そこには広々とした、ひとり暮らしには少し広すぎるリビングがあった。
テーブルの上には鍵が置いてある。
この家の鍵だろうか?
「なんでここに……?」
しばらく歩いてみてわかった事は
私の私物が置いてあるという事。
「ここで暮らせと……?」
どうやら私は、ファミリーの皆から家のプレゼントをされたようだ。
「ははっ…………なにそれ……」
こんな事されたら……………
「忘れられそうにないじゃん……」
リビングは綺麗に飾られていて、居心地が良かった。
あちこちには花が飾られている。
「ボスが飾ったのかな……?」
キッチンは炊事が出来る電化製品が置かれている。
皿やコップは多すぎるほどある。
「こんなに沢山……ふふっ…ここはアジサかな?」
自分が寝ていた部屋は、可愛く飾られていた。
クマのぬいぐるみや、ピンクのドレッサーなど置いてあった。
「ここはベリーだね…♪さすがだな……ふふっ」
クローゼットには沢山の服が入っていた。
「ムスカが買ったのかな……?相変わらずフリルついてる服を買うのね……♪」
もう1つの部屋には本やCDが置いてある。
完璧に趣味の部屋だ。
「ここはフキか……楽しかったな…♪」
その他、お風呂場やトイレなどの部屋は野球のステッカーや黄色い物で溢れかえっていた。
「もうユリったら……雑だな〜w」
そこもユリの良さの1つなんだけどね……
「皆で飾り付けたんだ………ソファーもテレビも…全部買ったんだね………」
そう思っていたら、涙が出てきた。
「はははっ…………………離れたくなかったなぁ〜……」