【完】1輪の花たちは

「………………さま………………お客様……!」

「は、はいっ……!!!」


私はいつの間にか、昔の出来事を振り返っていた。


そういえば、面接に遅刻してたそがれてたんだっけ…………


「コーヒーが冷めてしまいますよ?大丈夫ですか?」

「あ、大丈夫です!ありがとうございます」

「いえいえ。ごゆっくりどうぞ…」


あの出来事から約5年。

私はもう立派な大人になった。


金銭的には全然余裕はあるが、さすがにニート。というのは社会的にどうかと思う。

だから、仕事を探そうとして………


「やめたやめた!辛い事は忘れろっ!」


うん。そうだよね??みんな……




「うるせーんだよっ!」

「やんのか?あぁん?」


外ではまだ不良たちが喧嘩をしている。


「うるさいなぁ……止めに行こーかな」


平日のお昼すぎ。


「久しぶりすぎて、鈍ってないといいけど…」


私はお店を出て不良たちに近づく。


「ねーねーそこのおにーさんたち?」

「あぁ?なんだよ!おばさん!」

「くっ…」


言葉のトゲに殺られそうだ……


「おばさんじゃなくておねーさんでしょ?私まだ23歳なんだけどな………」

「うるせーな!!!殴るぞ!!!」


そう言って、私に殴りかかってきた。


「ふふっ………甘く見てもらっちゃ困るな……?」


5年ぶりに体を動かす。


「うわっ!!!!」

「なんだよこいつ!!!!!」

「て、撤退だ!!!」

「覚えてろよ!?!?!?」


少し相手の体を押さえつけただけ。


「ううーん?世間は甘くないなー?」


指をぽきぽき鳴らして周りをキョロキョロみる。

そこには人が沢山いて、写真を撮ってる人、拍手を送る人、様々だ。


「はいはい。ショーは終わり。皆さん帰った帰った〜」


私はそう言って歩きだした。


「あ、花屋さんがある」


近くにたまたま大きくて綺麗な花屋さんがあった。


「すみませーん!花買いたいんですけど〜」


そう言って私は、スノードロップを目当てにお店に入った。
















Fin


























































































































































あ、そうそう。

スノードロップの花言葉を言ってなかった。


「貴方の死を望みます」


ボスがつけてくれたアダ名。

素敵な名前でしょ?





























































































































































fin
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