【完】1輪の花たちは

そうだった。数分前に聞こうと思っていた質問があったんだ。


「お金はどこで?」

「初めの質問がそれか…。ヒヒッ…おもしれー」


すみませんね!?お金関係の話で!!


「ボスから貰ってる。取り引きが成功したら、ボスが親分に報告しに行って、貰ったものをみんなで分ける。たまに、お金関係の取り引きなんかもあるから、そのお金をそのまま山分けって事もあるし」

「でも、私たち、7人だよ?貰えるお金ってそんなに多いんじゃ……?」

「何言ってんの。危ない仕事を俺らしてるんだよ。万の話じゃないよ。百とか、億とかの話」

「え………こういうのって、そんなに儲かるの!?」

「その分、命を落とす可能性も大きいけどね」

「まじか……」


マフィアの事、甘く見てたな…。


「じゃあさ、その貰ったお金はどこに使うの?」

「人それぞれだけど、俺は武器とかに使ってる」

「なるほど……武器とか、お菓子とかにか……」

「………殺されたいの?」


どうやら、お菓子の話題がアジサの地雷らしい。


「やめて、本気か冗談か分かんないから」

「ヒヒッ………大事な仲間は殺さねーよ」


大事な………。

ここに来て数週間しか経ってないのに、受け入れられているようで嬉しかった。


「なにニヤけてんの?気持ち悪い」

「ちょ。私の感動を返せっ!」

「は?なんのこと…?」


なんだかんだ言ってアジサは、心の優しい人だった。
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