【完】1輪の花たちは
「じゃあ、そういう事だから、今回僕たちが取り引きをする相手の情報を集めるために、なにが必要だと思う?」
「えーっと………。まずは、私たちがどんな物を取り引きするのか知らないと話が進まない気がする………?」
「うん♪そうだね♪よく出来ました」
そう言って私の頭をポンポンする。
男子に頭触られたの、初めてかも……。
変なドキドキ感にソワソワしながら、私はベリーの話に耳を傾けた。
「大事なのは、相手は僕たちに何を求めているのか。そして、僕たちの事をどこまで知っているのか。それを知るだけで取り引きの進み具合が全然違うよ」
「なるほど……」
「そして、今回の相手は僕たちに麻薬を求めている。実際僕たちは麻薬に関してそんなに詳しくないから、物を調達するのはユリじゃないかな?」
「そうなの?ユリって、朝の会議でしか見かけないから、どんな人なのか知らないんだよね苦笑」
「まぁ、ユリは運動神経がいいからよく外で動き回ってるんだよ。ボスからも、部屋にいたら物が壊れる可能性があるから外にいろ。って言われてるみたいだしね」
「それもそれでやばい気がする……w」
ユリって、何者だ。
「それで話は戻るけど、たぶんあっちはボスを殺そうとしてる」
「え?なんで?」
「嬉しい事に、僕たちはマフィアの中では有名だからね。これ以上僕たちに暴れさせたら、嫌なんでしょ。きっと」
「そんな所に私、入っちゃったのか……」
「ふふっ……そんなに気を落とさないで?確かにすごいプレッシャーだよね。わかるよ」
ベリーは………なんだかんだ言って、私に毒を吐いてる気がする。
悪意は感じないのだろうか???
「てことで、あっちはボスと麻薬を欲しがっている。僕たちの事を潰そうとしてるのが本心だろうけどね。だからあっちは何も用意はしないよ。殺せば相手の勝ちだからね」
「はぁ……?」
「まぁ、簡単に言えば、僕たちファミリーを潰そうとしてるってことだよ」