【完】1輪の花たちは
重い足取りで私は外を出た。
某コーヒーショップでコーヒーを買った後
なるべく冷めないうちに早く帰ろうと早足で歩いていた。
「あ!めぐみ!!」
突然後ろから話しかけられた。
めぐみなんて呼ばれるのはいつぶりだろう???
そう思いながら、振り向いた。
「やっぱりめぐみだよね!よかったー!」
大きな袋を抱えて、小走りでこちらにやってくる。
「えっと………。ユリ?」
「たけるだよ!」
あ、たしか、ニックネームで呼ぶのはファミリーの間だけだっけ?
「あぁ。そうだったねたける。どうしたの?」
「買い物行ってた!めぐみは?」
「私はベリー……じゃなかった。すみれのコーヒーを買いに」
「なるほど!パシられてるんだね!」
「うっ……。やっぱそう思うよね…」
「うん!可哀想に!」
そういって、頭をヨシヨシされる。
「ふふっ……ありがとう♪」
「!?………い、いやぁ〜照れますなぁ〜///」
そう言ったユリは、ほんとに照れていて顔が赤く染まっていた。
「これから、戻るの?」
「うん!すみれに用があるからね!」
「なら、一緒に帰ろうか♪」
「やったぁー!かえるかえるー!」
ユリは、どうしてこの闇社会に自ら入ったのか分かんないほど、無邪気に笑っていた。