【完】1輪の花たちは
「うん。じゃあ、明日にでも……」
「わかった!明日ね!」
「ところで、今日はフキの誕生日だし豪華な物食べようぜ!」
「あ!いいねー!俺もボスに賛成!」
「払うのムスカな!」
「え…」
「わーい!ムスカムスカ!!」
「ムスカ、ありがとう♪」
「ほら〜フキも言ってるぞ〜」
わちゃわちゃしている皆を横目にソファーに体育座りしているアジサが目に入る。
「アジサ。輪に入らないの?」
「俺はいい」
「ふーん?ならさ、質問があるんだけど」
「なに?」
「みんなは、学校には行ってないの?」
「「「「「………………」」」」」
みんなはいっきに動きを止める。
「…………それ、聞いちゃう?」
「え…なんかダメだった……?」
「別に…」
皆は、気まずそうに顔を見合わす。
「まぁ………この世界に入ってる限り、一般人が送るような生活は無理だって事、覚えておいた方がいいよ」
そうアジサに言われる。
「う、うん………」
「なぁ、スノー」
ボスが私に話しかける。
「なに?」
「学校って楽しいのか?」
「え…?まぁ……」
「ここよりも?」
「それは………」
どっちかと言えば、学校のほうが楽しい。
こんなにユニークな仲間がいて、どんなに受け入れられても、安全に、健康を約束された学校のほうが楽しいに決まってる。
「そうか……変な事聞いて悪かったな」
「う、うん………」
なんだか重い空気………。悪い事しちゃったな…