【完】1輪の花たちは
「やぁダリア。久しぶりだね?またスーツにシミをつくったのかい?」
「まぁ、はい。それで?用は?」
「さすが。鋭い子だ♪実はな、お前のファミリーに新しい仲間を紹介したいんだ。お前と同い年だぞ」
「はぁ」
「女だ。名前はめぐみと言うそうだぞ」
「めぐみ……?」
「あぁ。めぐみ。聞いた事ある名前か?そりゃそうか。だって、“ お前が殺した人の娘だからな ”」
「……………そんなの覚えてません」
「本当か?お前は変わらず心が冷めてるな」
「はぁ」
「まぁ、そういう事だ。話は以上だ」
「失礼しました」
そっか。俺が殺した奴の娘か。
《やめてくれっ!殺さないでくれ!》
《殺されるのが分かっているからここに来たんだろ?》
《やめてくれ!私には娘がいる!1人にはさせられないっ!!》
《だまれ》
《っ………!!!!!!》
「………」
「ボスー!!!!」
「ん?あぁ。ユリか」
「そのハンカチ、最近ずっと見てるよね!?なんで!?」
「拾ったんだ。誰のだろうな」
「へー!そうなんだ!でも、女物っぽいよね!」
「そうだな」
「あ!俺、外に行かなきゃ!!!じゃあね!ボス!」
「あぁ…………。このハンカチを渡してきたのもめぐみって言ってたな」
どんな奴なんだろう。
そう思ってたけど、俺の予感は当たっていた。