【完】1輪の花たちは
私たちは、廊下を歩いている。
「ここの階が俺らの部屋だよ!」
「ほうほう?」
「1番奥が、俺の部屋!そっから順にフキ、ムスカ、ベリー、アジサって並んでるよ!」
「私の部屋だけ、別なんだね」
「ほんとは、一緒の階にするはずだったんだって!でも、スノーは女の子だから!別になったらしいよー!」
ユリは元気に説明してくれる
「そうなんだぁ」
なんだか私までのほほんとしてくる。
「俺の部屋に案内してあげるー!」
「ほんと?ありがとう♪」
「うん!俺の部屋ね!!すっごい広いんだよー!いっぱい置けるの!」
「そうなんだぁ♪」
ずっと思ってたけど、1人ひとりの部屋が大きい事は薄々気づいていた。
「さっ!どうぞー!」
「おじゃましまーす」
でも、物の置き方次第で近未来になったり、お菓子の世界になったりする。
「わぁ……すごい広いね…」
ユリの部屋は、綺麗に片付いていてどこの部屋よりも広く感じた。
ズルッ
「うわっ!!!!」
広く感じた………………………………………………だけだった。
「あっ!危ないっ!」
ユリは、滑った私を受け止めようとしたが、無理だった。
「ひゃーーー………大丈夫???」
「いったぁ………」
私は、男子の目の前で盛大に滑った。