【完】1輪の花たちは
「ボスが来たんだ」
ユリは淡々と話す
「ボスが………きて………殺せって…」
「そんな………」
「ボスの命令は絶対だから…だから…俺……」
「…………」
「でも、ここの世界ってそういうものだから。ボスはそれを教えてくれただけ…」
「恨んで……ないの?」
「恨んでないよ…。でも、俺が陽気でいられたのはあの子のおかげだから………あの子がいない今、俺が陽気でいる理由なんてない…でも、まだどこかで生きてるんじゃないかって………」
だから今でも、そうやって偽って陽気でいる………
そうユリは答えた。
「だから本当に、ボスは凄いなって…………思ったんだ!ごめんね!こんな話をしちゃって!嫌だったでしょ?」
「ううん……」
「俺!元気だよ!今は、スノーが元気になってくれるなら!俺!何でもする!だから………そんな顔しないで?」
後々分かったこと。
私の顔は、その好きだった子に似ていたとか。
だからユリは……………………
ううん。優しく接してくれたのは似てたからじゃ、ないはず……………
仲間だから…そう思っていたかった。