【完】1輪の花たちは
「俺は、小さい時からここにいて、小さい時からボスの事を知ってた」
いわゆる、幼馴染か。
「昔は、好奇心旺盛でいたずら好きの元気な奴だった。今もその面影を見せることもあるが昔ほどでは無いな…」
ボスはだんだん変わっていった。
そうムスカは口にした。
「どんな時でも、俺と平等な位置に居たがるボスだったが、いつからか、ボスは俺の上を歩きたがった」
私は黙って話を聞く。
「ボスは、俺を裏切ったんだ。昔は、ダリアと呼んでも気にしてなかったあいつが、俺をボスと呼べと、命令口調に変わっていった」
少し間があいてムスカが口にした言葉。
それは
「ボスは俺を、要らないと言った。お前がいなくてもやっていける。だからお前は、ここから消えろってな」
そんな事を言った。
「それって…酷すぎない?」
「いや、きっとボスは俺をここの世界から遠ざけようとしたんだ。でも、昔の俺はその言葉に失望、絶望を覚えた」
「………」
「でもな。ボスはそういう奴なんだ。仲間のためなら自分が悪者にだってなる。そういう奴。だから俺はボスの隣に立って支えていこうと思えた。その頃、ボスは俺にニックネームをつけたんだ」
ムスカ、ってな