To a loved one 〜愛しき者へ〜
観音寺の出会い
織田佑美は、近畿(きんき)一体を支配する大名になった。
そして、南近江地区の観音寺女子高を大改修して、壮大な学校を作りあげ、名前を安土(あづち)女学園と改めてた。
《豪華絢爛(ごうかけんらん)》という言葉が似合う学園だ。
━━安土女学園天守。
「麻衣!!」
佑美は、麻衣を呼んだ。
「はい。」
麻衣が佑美に近付いて来た。
「麻衣に、北近江地区を任せようと思う。」
と、佑美が言った。
「えっ!?」
麻衣は目を丸くして、
「よろしいんでしょうか?」
と訊いた。
「うん、小谷女学院は、麻衣の好きなようにすればいいよ。」
と、佑美が言った。
「有難うございます。」
麻衣は、深く頭を下げた。
次に、
「玲香!!」
佑美は、玲香を呼んだ。
「はい。」
玲香が佑美の所へ来た。
「玲香には、丹波(たんば)地区を任せようと思っている。」
と、佑美が言った。
「有難うございます。」
玲香が返事をする。
そして、玲香は天守を出ていった。
天守を出た後、玲香は自分の胸に手を当てた。
(佑美様と離れる...そう思った途端に、胸が締め付けられるようになるのは...何故?)
━━数日後。
麻衣は、小谷女学院を大掛かりな改修工事をして、《長浜(ながはま)女学院》へと改名した。
━━ある日、麻衣は自分のバイクで、長浜女学院から安土女学園方面へツーリングをしていた。
その帰りに北近江地区で、レストランに立ち寄った。
名前は、《レストラン観音寺(かんのんじ)》。
そこで、麻衣はハンバーグセットを頼んだ。
入店してすぐに、アルバイトの女の子が、お茶を出してくれた。
大きめのコップに冷たいお茶が入っていた。
「有難う。」
6月で暑くなって来ていた麻衣は、一気に飲んだ。
喉が乾いていたので、冷たいお茶は有難い。
しばらくすると、ハンバーグセットが麻衣の所へ運ばれて来た。
そして、
「お茶をどうぞ。」
先程の女の子は、麻衣にお茶を出した。
今度は、先程のコップよりは小さめのカップで、やや熱いお茶が半分くらい入っていた。
麻衣は食事をしながら、それも飲んだ。
ご飯を食べながら飲むには、丁度良い温度と量だ。
「お茶をどうぞ。」
麻衣が食べ終えた頃、その女の子は、三杯目のお茶を運んで来た。
高価な湯飲み茶碗で、熱々のお茶がほんの少しだけ入っていた。
それも、麻衣は飲んだ。
食後にホッとひと息つくには、丁度良い温度と量だった。
お茶を出すタイミングも絶妙だ。
三杯のお茶の違いを、不思議に思った麻衣は、
「ちょっといいですか?」
と、麻衣はその少女を呼んだ。
「はい。」
と、その少女は麻衣の所へ来た。
肩までの黒髪ストレートが、良く似合う美少女だ。
「私の所に運ばれて来たお茶が三杯とも、量や温度が違うのは何故?」
と、麻衣は訊いた。
「はい、ご来店された時に、とても暑そうでしたので、先ずは冷たいお茶をお出し致しました。」
と、その少女は答えた。
「次は?」
と、麻衣が訊く。
「はい、お食事と一緒にお召し上がり頂く為、少し熱めのお茶をご用意致しました。」
と、少女は答えた。
「では、三杯目は?」
と、麻衣が訊いた。
「はい、お食事の後に、ごゆっくりとお過ごし頂きたく、熱めのお茶をご用意致しました。」
と、その少女は答えた。
その神対応に感心した麻衣は、
「お名前は?」
と、名前を尋ねた。
「北近江地区佐和山(さわやま)女子高等学校一年、石田絵梨花(いしだ・えりか)と申します。」
と、その少女は答えた。
「《えりか》、いい名前ね。」
と、麻衣は言った。
「有難うございます。」
と、絵梨花は言った。
「私は長浜女学院二年生の羽柴麻衣。
最近、長浜女学院を任されるようになったの。」
と言った。
「北近江の大名の方ですか?」
と、絵梨花は驚いた。
「うーん、私は織田佑美様の家臣だから、大名とは違うかなぁ...。」
と、麻衣は言った。
「でも、長浜女学院ではトップですよね?」
と、絵梨花は訊いた。
「うん、一応ね。」
と、麻衣は答えた。
「そんなお偉い方とは知らず、失礼致しました!!」
と、絵梨花は深く頭を下げた。
「全然、悪くないわよ。」
麻衣は言ってから、少し間を置いて、
「お願いがあるんだけど...。」
と訊いた。
「は、はい、なんでしょうか?」
絵梨花は、背筋を正した。
「あなたの力を、私に貸してくれないかしら?」
と、訊いた。
「えっ!?私の力ですか?」
と、絵梨花は目を丸くした。
「ダメかしら?」
と、麻衣は絵梨花を見た。
「━━私なんかでよろしいのでしょうか?」
と、絵梨花は麻衣を見た。
「あなたがいいの。」
と、麻衣は微笑した。
「かしこまりました。」
絵梨花は頷いた。
━━羽柴麻衣家臣、石田絵梨花の誕生である。
そして、南近江地区の観音寺女子高を大改修して、壮大な学校を作りあげ、名前を安土(あづち)女学園と改めてた。
《豪華絢爛(ごうかけんらん)》という言葉が似合う学園だ。
━━安土女学園天守。
「麻衣!!」
佑美は、麻衣を呼んだ。
「はい。」
麻衣が佑美に近付いて来た。
「麻衣に、北近江地区を任せようと思う。」
と、佑美が言った。
「えっ!?」
麻衣は目を丸くして、
「よろしいんでしょうか?」
と訊いた。
「うん、小谷女学院は、麻衣の好きなようにすればいいよ。」
と、佑美が言った。
「有難うございます。」
麻衣は、深く頭を下げた。
次に、
「玲香!!」
佑美は、玲香を呼んだ。
「はい。」
玲香が佑美の所へ来た。
「玲香には、丹波(たんば)地区を任せようと思っている。」
と、佑美が言った。
「有難うございます。」
玲香が返事をする。
そして、玲香は天守を出ていった。
天守を出た後、玲香は自分の胸に手を当てた。
(佑美様と離れる...そう思った途端に、胸が締め付けられるようになるのは...何故?)
━━数日後。
麻衣は、小谷女学院を大掛かりな改修工事をして、《長浜(ながはま)女学院》へと改名した。
━━ある日、麻衣は自分のバイクで、長浜女学院から安土女学園方面へツーリングをしていた。
その帰りに北近江地区で、レストランに立ち寄った。
名前は、《レストラン観音寺(かんのんじ)》。
そこで、麻衣はハンバーグセットを頼んだ。
入店してすぐに、アルバイトの女の子が、お茶を出してくれた。
大きめのコップに冷たいお茶が入っていた。
「有難う。」
6月で暑くなって来ていた麻衣は、一気に飲んだ。
喉が乾いていたので、冷たいお茶は有難い。
しばらくすると、ハンバーグセットが麻衣の所へ運ばれて来た。
そして、
「お茶をどうぞ。」
先程の女の子は、麻衣にお茶を出した。
今度は、先程のコップよりは小さめのカップで、やや熱いお茶が半分くらい入っていた。
麻衣は食事をしながら、それも飲んだ。
ご飯を食べながら飲むには、丁度良い温度と量だ。
「お茶をどうぞ。」
麻衣が食べ終えた頃、その女の子は、三杯目のお茶を運んで来た。
高価な湯飲み茶碗で、熱々のお茶がほんの少しだけ入っていた。
それも、麻衣は飲んだ。
食後にホッとひと息つくには、丁度良い温度と量だった。
お茶を出すタイミングも絶妙だ。
三杯のお茶の違いを、不思議に思った麻衣は、
「ちょっといいですか?」
と、麻衣はその少女を呼んだ。
「はい。」
と、その少女は麻衣の所へ来た。
肩までの黒髪ストレートが、良く似合う美少女だ。
「私の所に運ばれて来たお茶が三杯とも、量や温度が違うのは何故?」
と、麻衣は訊いた。
「はい、ご来店された時に、とても暑そうでしたので、先ずは冷たいお茶をお出し致しました。」
と、その少女は答えた。
「次は?」
と、麻衣が訊く。
「はい、お食事と一緒にお召し上がり頂く為、少し熱めのお茶をご用意致しました。」
と、少女は答えた。
「では、三杯目は?」
と、麻衣が訊いた。
「はい、お食事の後に、ごゆっくりとお過ごし頂きたく、熱めのお茶をご用意致しました。」
と、その少女は答えた。
その神対応に感心した麻衣は、
「お名前は?」
と、名前を尋ねた。
「北近江地区佐和山(さわやま)女子高等学校一年、石田絵梨花(いしだ・えりか)と申します。」
と、その少女は答えた。
「《えりか》、いい名前ね。」
と、麻衣は言った。
「有難うございます。」
と、絵梨花は言った。
「私は長浜女学院二年生の羽柴麻衣。
最近、長浜女学院を任されるようになったの。」
と言った。
「北近江の大名の方ですか?」
と、絵梨花は驚いた。
「うーん、私は織田佑美様の家臣だから、大名とは違うかなぁ...。」
と、麻衣は言った。
「でも、長浜女学院ではトップですよね?」
と、絵梨花は訊いた。
「うん、一応ね。」
と、麻衣は答えた。
「そんなお偉い方とは知らず、失礼致しました!!」
と、絵梨花は深く頭を下げた。
「全然、悪くないわよ。」
麻衣は言ってから、少し間を置いて、
「お願いがあるんだけど...。」
と訊いた。
「は、はい、なんでしょうか?」
絵梨花は、背筋を正した。
「あなたの力を、私に貸してくれないかしら?」
と、訊いた。
「えっ!?私の力ですか?」
と、絵梨花は目を丸くした。
「ダメかしら?」
と、麻衣は絵梨花を見た。
「━━私なんかでよろしいのでしょうか?」
と、絵梨花は麻衣を見た。
「あなたがいいの。」
と、麻衣は微笑した。
「かしこまりました。」
絵梨花は頷いた。
━━羽柴麻衣家臣、石田絵梨花の誕生である。