To a loved one 〜愛しき者へ〜
二人の中学生
━━京都府山城地区京都付近。
夕方で、薄暗くなってきていた。
「ここ、どこ...?」
少女は、呟くように言った。
まだ中学生くらいのようだ。
黒髪のロングストレートに、キリッとした目が特徴の美少女である。
見慣れない制服...。
修学旅行か何かだろうか?
どうやら迷ってしまっているようだ...。
キョロキョロ辺りを見回しながら、一人で歩いていた。
━━そのずっと後ろを、別の制服を来た少女が歩いていた。
彼女も中学生くらいだろうか?
こちらは黒髪のショートに、クリっとした目が特徴の美少女である。
先を歩いていた少女は、公園へと入って行った。
後ろを歩いていた少女も公園の方へ向かった。
━━突然!!
「!?」
茂みから男が現れて、前を歩いていた少女の口を塞いで、茂みに引きずり込んだ!!
そして、少女は押し倒された。
「......。」
恐怖で声も出ない...。
目には涙を溜めていた...。
男が少女の上に馬乗りになった時、
「おまわりさーん!!
こっちー!!」
と、大きな声がした。
驚いた男は少女から離れて、慌てて逃げ出した。
倒れている少女に、
「大丈夫!?」
と、駆け寄って来た少女がいた。
先程、後ろを歩いていた少女だ。
「もう、平気だよ。」
その少女は、優しく声をかけた。
襲われていた少女は、ゆっくりと身体を起こした。
「立てる?」
と、助けに来た少女が訊く。
「は、はい...。」
と、襲われていた少女は頷いた後、泣き出してしまった。
「危ないから、人通りの多い道に出よう。」
と、助けに来た少女が言って、襲われていた少女に付き添うような形で歩き出した。
(この子、私より年下かな?)
と、助けに来た少女は思っていた。
━━二人がしばらく歩いていると、車の通りが多い道に出た。
車の進行方向と逆向きの歩道を歩いていると、前方から来た金色の外車が二人の前に止まった。
車の後ろのドアが開いて、
「蓮加(れんか)!?」
と、中から出て来た少女が言った。
━━羽柴麻衣である。
「どうしたの!?」
麻衣が訊く。
「お、お姉ちゃん...。」
襲われた方の少女は、麻衣に抱き着いた。
そして、また泣き出した。
「道に迷ってて公園に入ったら...突然、知らない男の人に...。」
涙混じりに、その蓮加という少女は言った。
羽柴蓮加(はしば・れんか)、中学二年生。
羽柴麻衣の妹だ。
「え!?」
と、麻衣は驚いて、
「大丈夫!?」
と訊いた。
「...うん、すぐにこのお姉さんが助けてくれたから、何もされなかった。」
と、蓮加は言った。
「そう。」
麻衣は、胸を撫で下ろすように言ってから、
「ありがとうございます。」
と、助けてくれた少女に頭を下げた。
「い、いいえ。」
と、その少女は答えた。
「あの、お名前...聞いてもいい?」
と、麻衣は訊いた。
「真田未央奈(さなだ・みおな)です。」
と、その少女は答えた。
━━真田未央奈、中学三年生だ。
「見慣れない制服だけど、この辺の学校じゃないの?」
と、麻衣は訊いた。
「はい、長野県信濃地区小県の上田女子高の附属中学です。
最近、姉達と引越しました。」
と、未央奈は答えた。
「上田の...真田...?」
麻衣は、呟くように言ってから、
「お姉さんは、高校生?」
と訊いた。
「はい、上田女子高の三年生に長女の純奈と、二年生に次女の美彩がおります。」
と、未央奈は答えた。
━━純奈達の妹のようだ。
「私のお姉ちゃんは、ナンバー1女子高生なの。」
と、蓮加は言った。
「ナンバー1!?」
未央奈は、目を丸くした。
「ナンバー1は大袈裟よ。」
と、麻衣は蓮加に言ってから、
「申し遅れました。
大阪府摂津地区大坂女学園二年生、正二位、内大臣、羽柴麻衣です。」
と、未央奈を見た。
━━この時代、官位や役職がある時は、名乗る事が多い。
(正二位?内大臣?)
何だか、とんでもない相手と出くわした気分の未央奈だった...。
「失礼致しました!!」
未央奈は、思わず頭を下げた。
「全然、失礼じゃないわよ。
妹の蓮加の恩人だし。」
と麻衣は言ってから、
「今日は、修学旅行か何か?」
と訊いた。
「いいえ、陸上部の大会で来ました。」
と、未央奈は答えた。
「大会で京都迄来たの?」
と、麻衣。
「はい、大会とか多くて。
先日は、愛知県迄行きました。」
と、未央奈は答えた。
「未央奈さん、この後の予定は?」
と、麻衣は訊いた。
「ホテルに戻るだけです。」
と、未央奈は答えた。
「じゃ、一緒にご飯でも食べましょう。
私がご馳走するわ。」
と、麻衣は誘った。
「よろしいんですか?」
と、未央奈は言った。
「勿論よ。」
と、麻衣は言った。
そして三人は、麻衣の車に乗り込んだ。
これが羽柴麻衣・蓮加姉妹と、真田未央奈の出会いである...。
夕方で、薄暗くなってきていた。
「ここ、どこ...?」
少女は、呟くように言った。
まだ中学生くらいのようだ。
黒髪のロングストレートに、キリッとした目が特徴の美少女である。
見慣れない制服...。
修学旅行か何かだろうか?
どうやら迷ってしまっているようだ...。
キョロキョロ辺りを見回しながら、一人で歩いていた。
━━そのずっと後ろを、別の制服を来た少女が歩いていた。
彼女も中学生くらいだろうか?
こちらは黒髪のショートに、クリっとした目が特徴の美少女である。
先を歩いていた少女は、公園へと入って行った。
後ろを歩いていた少女も公園の方へ向かった。
━━突然!!
「!?」
茂みから男が現れて、前を歩いていた少女の口を塞いで、茂みに引きずり込んだ!!
そして、少女は押し倒された。
「......。」
恐怖で声も出ない...。
目には涙を溜めていた...。
男が少女の上に馬乗りになった時、
「おまわりさーん!!
こっちー!!」
と、大きな声がした。
驚いた男は少女から離れて、慌てて逃げ出した。
倒れている少女に、
「大丈夫!?」
と、駆け寄って来た少女がいた。
先程、後ろを歩いていた少女だ。
「もう、平気だよ。」
その少女は、優しく声をかけた。
襲われていた少女は、ゆっくりと身体を起こした。
「立てる?」
と、助けに来た少女が訊く。
「は、はい...。」
と、襲われていた少女は頷いた後、泣き出してしまった。
「危ないから、人通りの多い道に出よう。」
と、助けに来た少女が言って、襲われていた少女に付き添うような形で歩き出した。
(この子、私より年下かな?)
と、助けに来た少女は思っていた。
━━二人がしばらく歩いていると、車の通りが多い道に出た。
車の進行方向と逆向きの歩道を歩いていると、前方から来た金色の外車が二人の前に止まった。
車の後ろのドアが開いて、
「蓮加(れんか)!?」
と、中から出て来た少女が言った。
━━羽柴麻衣である。
「どうしたの!?」
麻衣が訊く。
「お、お姉ちゃん...。」
襲われた方の少女は、麻衣に抱き着いた。
そして、また泣き出した。
「道に迷ってて公園に入ったら...突然、知らない男の人に...。」
涙混じりに、その蓮加という少女は言った。
羽柴蓮加(はしば・れんか)、中学二年生。
羽柴麻衣の妹だ。
「え!?」
と、麻衣は驚いて、
「大丈夫!?」
と訊いた。
「...うん、すぐにこのお姉さんが助けてくれたから、何もされなかった。」
と、蓮加は言った。
「そう。」
麻衣は、胸を撫で下ろすように言ってから、
「ありがとうございます。」
と、助けてくれた少女に頭を下げた。
「い、いいえ。」
と、その少女は答えた。
「あの、お名前...聞いてもいい?」
と、麻衣は訊いた。
「真田未央奈(さなだ・みおな)です。」
と、その少女は答えた。
━━真田未央奈、中学三年生だ。
「見慣れない制服だけど、この辺の学校じゃないの?」
と、麻衣は訊いた。
「はい、長野県信濃地区小県の上田女子高の附属中学です。
最近、姉達と引越しました。」
と、未央奈は答えた。
「上田の...真田...?」
麻衣は、呟くように言ってから、
「お姉さんは、高校生?」
と訊いた。
「はい、上田女子高の三年生に長女の純奈と、二年生に次女の美彩がおります。」
と、未央奈は答えた。
━━純奈達の妹のようだ。
「私のお姉ちゃんは、ナンバー1女子高生なの。」
と、蓮加は言った。
「ナンバー1!?」
未央奈は、目を丸くした。
「ナンバー1は大袈裟よ。」
と、麻衣は蓮加に言ってから、
「申し遅れました。
大阪府摂津地区大坂女学園二年生、正二位、内大臣、羽柴麻衣です。」
と、未央奈を見た。
━━この時代、官位や役職がある時は、名乗る事が多い。
(正二位?内大臣?)
何だか、とんでもない相手と出くわした気分の未央奈だった...。
「失礼致しました!!」
未央奈は、思わず頭を下げた。
「全然、失礼じゃないわよ。
妹の蓮加の恩人だし。」
と麻衣は言ってから、
「今日は、修学旅行か何か?」
と訊いた。
「いいえ、陸上部の大会で来ました。」
と、未央奈は答えた。
「大会で京都迄来たの?」
と、麻衣。
「はい、大会とか多くて。
先日は、愛知県迄行きました。」
と、未央奈は答えた。
「未央奈さん、この後の予定は?」
と、麻衣は訊いた。
「ホテルに戻るだけです。」
と、未央奈は答えた。
「じゃ、一緒にご飯でも食べましょう。
私がご馳走するわ。」
と、麻衣は誘った。
「よろしいんですか?」
と、未央奈は言った。
「勿論よ。」
と、麻衣は言った。
そして三人は、麻衣の車に乗り込んだ。
これが羽柴麻衣・蓮加姉妹と、真田未央奈の出会いである...。