眼鏡を外した、その先で。
「は、入ってないわよ」
銀縁眼鏡の向こうから、冷たい瞳が私を見つめる。
本当のことを白状してしまいそうになるけれど、曖昧に笑って誤魔化した。
「そうですか。
……なら、この手はなんですか!?」
「きゃっ」
背中にまわった手に腕を掴まれ、指環の抜けない左手を目の前に突きつけられた。
レンズの奥の凍てついた瞳に、私の身体は無意識に震えていた。
「どういうことですか、これは」
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。
つい、出来心だったの。
指、切断してでも外して返すから、許して」
「……はぁーっ。
そんなことをしたら、あなたの身体に傷がついてしまうでしょう?」
ため息をついた高原は膝をつくと、そっと私の左手を取った。
涙目で恐る恐る見下ろすと、高原と視線が合った。
感情の見えない、高原の冷たい瞳はじっと私を見つめている。
「なぜ、こんなことを?」
銀縁眼鏡の向こうから、冷たい瞳が私を見つめる。
本当のことを白状してしまいそうになるけれど、曖昧に笑って誤魔化した。
「そうですか。
……なら、この手はなんですか!?」
「きゃっ」
背中にまわった手に腕を掴まれ、指環の抜けない左手を目の前に突きつけられた。
レンズの奥の凍てついた瞳に、私の身体は無意識に震えていた。
「どういうことですか、これは」
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。
つい、出来心だったの。
指、切断してでも外して返すから、許して」
「……はぁーっ。
そんなことをしたら、あなたの身体に傷がついてしまうでしょう?」
ため息をついた高原は膝をつくと、そっと私の左手を取った。
涙目で恐る恐る見下ろすと、高原と視線が合った。
感情の見えない、高原の冷たい瞳はじっと私を見つめている。
「なぜ、こんなことを?」