眼鏡を外した、その先で。
あの目を私は知っている。
だっていつも部屋を訪れるたび、高原は眼鏡を外し、あの目で私のことを見つめていたのだから。
そして私はあの熱い瞳の高原のことが……好き、なのだから。

「……嘘、です」

「嘘はダメだと、何度も申し上げているはずですが」

「……はい。ごめんな、さい」

満足そうに笑った高原が私を抱き寄せる。
顎を持ち上げられたと思ったら、熱い唇が押しつけられた。

ゆっくりと目を閉じ、腕を高原の背中にまわす。
唇が離れると、高原の口からも甘い吐息が落ちた。

「……愛しています、これからもずっと」

熱い瞳で見つめられ、私の身体は本当に燃えてしまいそうだった。





【終】
< 9 / 10 >

この作品をシェア

pagetop