例え結婚指輪が無いとしても。

「奏ちゃん、行こうか!」


乗って、と紘さんが

車椅子をすぐそばまで持ってきてくれる。

病院の中を移動する時も

いつも紘さんが車椅子を押してくれたりしていた。


「あ、ありがとうっ…!」




紘さんは にこっ、と微笑み

私を乗せた車椅子をゆっくりと押しながら

目的場所___…野苺学園高等学校へと向かう。
< 19 / 27 >

この作品をシェア

pagetop