守りたい、不器用な人。~貴方と始める最後の恋~
2階に上がればそこは自宅、(社宅)となっている。
住んでいるのは大将とチーフ、私の3人だ。

1人だけ女という状況も今となっては慣れてしまった。

共通のリビングへと彼を案内して私は自室へと戻る。
急いで予備の制服に着替え、適当なジャージを箪笥から取り出す。
それを持ち彼が待つリビングへと向かった。


「お待たせしました、これ着てください。少し……かなり小さいかもですけど」

「い、いえ! ありがとうございます!」


人懐っこい可愛らしい笑顔を浮かべて着替えだす山瀬さん。
突然だった為、裸の上半身が見えてしまった。


「……」


自然に後ろを向いたつもりだったが、顔から熱が消えてくれない。
激しく鼓動も揺れ動いている。

男性への免疫の無さに虚しさを通り越して笑えてくる。


「あの出来ました!」

「はい」


振り向けば手足が異様に出ていてお腹や背中の部分も短かった。
それもそうだろう。

私は160センチで山瀬さんはパット見でも180後半はある。
小さいに決まっていた。
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