守りたい、不器用な人。~貴方と始める最後の恋~
「だから行かないで、俺の傍にいろよ!」
耳元で囁かれる甘い言葉。
だけど、その言葉の意味が分からずに首を傾げる。
「あ、あの……私は何処も行かないですよ……?」
「……え……?」
「先輩の見送りに来ただけで……すぐにお店に戻りますけど……」
戸惑いながらも事実を口にすれば一瞬の間が生まれる。
何を言われているのかが理解できていないかのように固まる山瀨さん。
でもすぐにそれは絶叫へと変わった。
「えー!? だ、だって大将とチーフが!!」
「え?」
「ミサキさんはお店を辞めて、川瀬さんと海外に行くって!!」
その言葉に驚くのは私も同じだった。
大将やチーフのことだ。
私の背中を押してくれたのと同じように……。
山瀨さんの背中も押そうとしてくれたんだろう。
1人で納得をしていれば山瀨さんは混乱したように私と拓海先輩を交互に見つめていた。
「じゃ、じゃあ……お2人は……」
「……とっくにフラれてるよ、誰かさんのせいでな」
「え?」
嫌みったらしく笑みを浮かべると拓海先輩は鞄を掴み私たちに背を向けた。
耳元で囁かれる甘い言葉。
だけど、その言葉の意味が分からずに首を傾げる。
「あ、あの……私は何処も行かないですよ……?」
「……え……?」
「先輩の見送りに来ただけで……すぐにお店に戻りますけど……」
戸惑いながらも事実を口にすれば一瞬の間が生まれる。
何を言われているのかが理解できていないかのように固まる山瀨さん。
でもすぐにそれは絶叫へと変わった。
「えー!? だ、だって大将とチーフが!!」
「え?」
「ミサキさんはお店を辞めて、川瀬さんと海外に行くって!!」
その言葉に驚くのは私も同じだった。
大将やチーフのことだ。
私の背中を押してくれたのと同じように……。
山瀨さんの背中も押そうとしてくれたんだろう。
1人で納得をしていれば山瀨さんは混乱したように私と拓海先輩を交互に見つめていた。
「じゃ、じゃあ……お2人は……」
「……とっくにフラれてるよ、誰かさんのせいでな」
「え?」
嫌みったらしく笑みを浮かべると拓海先輩は鞄を掴み私たちに背を向けた。