守りたい、不器用な人。~貴方と始める最後の恋~
「……」

「……」


会話が途切れ、再び静まった空間が生まれる。

何か話さないと、心ではそう思うのに。
それでも口を開く事が出来なかった。

見つめ合ったまま、どれくらいの時間が過ぎただろう。

たった一瞬だったかもしれない。
だけど私には長く感じた。


「ミサキさん」

「……はい」

「君が好きです」


驚きの声は出なかった。

バサッと小さく音がした。
気が付けば手に持っていた紙袋が地面に落ちていた。


「……昨日会ったばっかりで何言ってるんだとか……。
君の言いたい事は分かります。意味が分からないですよね!
でも俺……君に……」


嫌に静まり返った空気。
でもすぐに山瀬さんの声が放たれる。
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