守りたい、不器用な人。~貴方と始める最後の恋~
「一目惚れしました」


ストレートな言葉に胸が高鳴った。

走った後みたいに激しく揺れ動く鼓動も。
熱くなる顔や体も。
真っ白になる思考も。

これが夢ではない事を教えてくれる。


「……」


言葉が出せなくて黙り込んでいれば、一際強い風が私の頬を撫でた。
その生温かい風は、私の忘れたくても忘れられない感情を一緒に運んできた様な気がした。


『花蓮……待てよ俺は!!』


頭の中に響く男の人の声。
それと一緒に映像まで頭に流れてくれる。

私に伸ばされた手も、必死な顔も。

所詮……。


「好きとか惚れたとか……」

「ミサキ……さん……?」

「くだらない」

「え……」


さっきまでの胸の高鳴りも何処かに消え去っていく。
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