守りたい、不器用な人。~貴方と始める最後の恋~
一瞬、呆然と固まるがすぐに手を動かす。
片付けを済ましカウンターの中へと戻る。


「海咲ちゃん、ありがとうね」


すぐさまお客様に声を掛けられた。
バイト2人の近くに座っていた人だ。


「え?」

「煩くて困っててさ……漸く静かに食事ができる」

「いえ……お騒がせしてすみません」


深く頭を下げれば大袈裟なくらいに首を横に振られる。


「海咲ちゃんは悪くないから謝らないでよ!
大将! どーにかなんないかね?」

「人手不足だからな……」


困った様に腕を組む大将にお客様も私も苦笑い。

厳しく、大変な仕事だから社員はおろかバイトも寄り付かない。

今は大将、チーフ、社員の私。
そしてあのバイト2人だ。

少し前までは3人で回していたが、1週間前から2人一緒に入ってきた。
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