守りたい、不器用な人。~貴方と始める最後の恋~
「……可愛い……」

「……え?」

「……やっと言えた」


山瀬さんは達成感に満ち溢れた様な清々しい顔をしている。
私はというと……。


「っ……」


あり得ないくらいに顔が熱くなる。
心なしか鼓動も速い気もする。


「ミサキさん?」

「な、何でもないです! ご、ご飯食べましょう!」

「え? い、一緒に食べてくれるんですか!?」

「は、はい!」


顔を見られない様に俯きがちに答える。

山瀬さんがいきなりカワウソって言っていたのは……。

もしかして可愛いって言おうとしていた……とか……?
あ……あり得ない……よね?

考えただけで恥ずかしくて堪らなくなる。


「ミサキさん!」

「え!?」


妄想していれば、急に山瀬さんに話し掛けられる。


「凄く嬉しい!」

「……」

「ミサキさん! ありがとうございます!」

「こ、こちらこそ……」


コロコロ変わる表情の1つ1つが私の心にすんなりと入ってくる。
一緒に居るだけで落ち着くって……初めての感じかもしれない。
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