ブラック・ストロベリー



胸が苦しくなって、よくわかんないけど泣きそうになって、真っ赤なかおしてこちらを悔しそうにみつめるアオイに手を伸ばした。


「 キス、してよ 」

目を閉じれば、アオイの愛しいため息がきこえて、思わず笑ってしまった途端、呼吸ができない幸せがふってきた。

少し目を開けば、愛おしそうに私を細めでみつめるアオイがいて、それだけで死んじゃいそうになるから、たぶん一生好きでいられると思う。


「 これ以上振り回すな、まじで、殺す気? 」

アオイの心臓の音が聞こえて、それだけでわたしはアオイが愛しいと思う。


「 私はアオイの歌聴くだけでいつも死んじゃいそうになるけどね 」

そう言えば、ふは、って嬉しそうに笑うから、もう今日は何しても許すよ。


「 好きって言ってほしい? 」

「 んーもういいよ、言われなくても伝わった 」

「 へえ、俺は足りない 」

「 は?人があんだけ素直になったのに? 」

「 だから今日は、無理、止まんないかも 」


また唇がふってきて、愛しい苦しみに合間に、ちゃっかりしっかり私のほしい言葉全部くれるから、ほんとう、狡い人だとおもう。


「 、ねえ、オムライスは 」

「 明日の朝でいーよ、今はこっちがほしい 」


アオイがくれるもの全部が、わたしを好きって言ってくれるから、もう欲張ったりしないね。

その代わり、私はもう離れられそうにないから、どうか見捨てないでほしい。


「 まじで、すきだよ 」


素直なアオイも
意地っ張りなアオイも
どうしても嫌いになれないから、


とりあえず、はやくきみのうたが聴きたい




そうだ、でも、たまには言葉にしてね?




fin.
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