【短】僕は明日のキミが好き。
だけど……と彼女は続ける。
「私、何も知らなくって。私もキミが好きで、親友もキミが好きで。
だったら私は引いたほうがいいのかなって思ったんだけど、どうしても抑えきれなくて、最初の日に自分の手で書いた手紙を思わず入れちゃったの。
あとで、やっちゃったって後悔した」
最低だ、と涙をにじませて話す彼女を見て、思った。
ああ、やっぱり……と。
やっぱり僕は、彼女が好きなんだ。
僕が興味を持って好きになったのは彼女だった。
最初は手紙を書いてくれたことが嬉しくて惹かれたんだと思った。
だけど、それにしては何も感じなくて、だけど手紙を読むのを待ちわびていた。
それは、はじめに手紙を書いてくれて、それからも届けてくれる人に想いを馳せていたからなんだ、と。
なら、と僕は一歩彼女の前に出た。