【短】僕は明日のキミが好き。
**木曜日
木曜日。
『今日の授業はすっごくダルかった!
キミはどう?嫌いな科目とかってある?』
そりゃあ、あるに決まってる。
返事をしようと、自然とペンケースに伸びた手が止まる。
返事をしてどうするっていうんだ。
僕は彼女のことを何も知らない。
彼女も僕に話さない。
なら、知ることもできないじゃないか。
迷惑なら迷惑だと言えばいい。
たとえ返してくれなくても、相手には伝わるはずだ。
だけど、そんな気は全く起きなかった。
どうしてだろう。
顔も知らないキミのことを考えてしまうのは、単に興味が湧いたからか。
それとも…——