壁越しの舌
「100均って本当なんでもあるなぁ。じゃぁまず段ボールの中身から整理してこうか」

蒼子と一緒に行けたからかテンション高くなったてん汰がしきる

キャシーと私とてん汰で荷物を整理し、蒼子はお昼の用意をしてくれている。



モニーサンは針金で何かを作っている


「モニー手伝えよ!」

モニーサンは強い。てん汰の声は全く届いてないみたいだった。段ボールの整理が終わる頃モニーサンは部屋を出ていった


誰も何も聞かない
聞いても答えないのがモニーサンだから


『カレー出来たよ。あれモニーサンは??』


蒼子がそう言ったと同時にモニーサンが帰って来た。手には造花が握られてる


また何かを作りはじめた彼を無視しながら私達はカレーを食べた


蒼子のカレーは具がおっきくなくて、甘かった

てん汰は「美味しいよ」と小さく呟いて、キャシーは二人を笑顔で見つめてた


ふとモニーサンを見ると、モニーサンも私を見た。そして手招きをした


モニーサンは『shino』と針金で表札を作ってくれた。造花もお洒落にくっつけて凄く可愛かった


『どう』

「可愛い。」

モニーサンは横目でチラッと私を見て、満足気に少し笑った

初めて笑った顔をちゃんと見た気がした
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