【短童話】星のつくりかた
「これは今から何十億年も前のお話しさ。さあ、そろそろ眠たくなったかい?」
うん、おじいちゃん、ぼくはもう眠くっておきてられないや。
ポンポンと一定のリズムで、ぼくのお腹をおじいちゃんのしわしわの手がたたいている。
「おはなしの中の男の子は、白いブランコをたいそう気に入ったそうじゃ」
しわがれたその声に、ぼくはそっとまぶたをおろしてうなずいた。
「君のパパにもつくってもらおうか」
そうだね。
ちょうどお庭のすみっこにぽっかり空いたいい場所があるんだ。
夢の中で、ぼくは白いブランコに揺られながら楽しそうな星を見つめていた。
END.