【短童話】星のつくりかた
「星をつくろう」


ある日、町のだれかが言いました。


みんな危険な夜にうんざりしていたので、すぐにその言葉にうなずきました。

でも、誰もそのつくりかたを知りませんでした。



どうしたものかとみんなが困っていたとき、ある有名な学者がやって来て言いました。


「地面をたくさん掘って、金を集めましょう」


なるほど金か、とぼくたちは学者信じてせっせと金を掘り出しました。



なんにちもなんにちもかかって、町で一番大きな家よりも高い金の山ができました。


「集めたはいいが、これをどうやって空に運ぶんだい?」

町一番の働き者が学者に尋ねました。


「町の外れに空に向かう風があるから、それで運びましょう」


ぼくらはまたその学者にしたがって金をせっせと運びました。



すると、金は空たかくのぼっていきました。



ぼくたちは大喜びで、その日の夜を待ちわびました。


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