【短童話】星のつくりかた
太陽がぼくたちにさよならして、だんだん辺りが暗くなってきました。

ぼくたちは、広い夜空で星が踊りだすのを待ちました。



だけど、いくら待っても星は光りませんでした。


「もうすこし、もうすこししたら星はかがやくにちがいない」

町の人たちはそうつぶやきながらずっと夜空を見上げつづけました。



しかし星が出ないまま、とうとう朝がきてしまったのです。


「星は光らなかったじゃないか!!」

町のお金持ちが怒って学者に言いました。


すると学者は焦って言いました。

「お、落ちついてください!ちょっとしっぱいしただけです!」

「なんだと?おれたちはおまえの言ったとおりにやったんだ。どうしてしっぱいするんだ?」

学者は町のみんなにかこまれてだらだら汗をながしていました。

「まって!正しいレシピがありますから!!」

「ならばそれを渡せ」

「わ、わたしは持っていません!遠い“地球”という世界にはあるとききました!」


そう言って学者は、人びとの間をすりぬけていちもくさんに逃げてしまいました。


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