【短童話】星のつくりかた
星がきえるとき
空では光らなかった金は、地面ではまぶしいくらいにかがやいて、人びとの心をあっという間にうばってしまいました。


中には、金を貧しい人や困っている人のために使おうと言った人もいました。

でも、何人かが金をひとりじめしようとして、争いが始まってしまいました。



「うるさい、どけ!」

「いなくなっちゃえ!」

「お前なんかきらいだ」


そんな、人を泣かせたり怒らせたり傷つけたりする言葉が生まれました。


一度めばえた争いのたねはどんどん成長して広がり、世界はあれはててしまいました。

もうだれも星の材料の言葉をとなえなくなりました。


そんなぼくたちの世界を星たちはしっかり見ていたのでしょう。

星はだんだんへっていき、とうとう残りひとつになってしまいました。


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