俺様社長の溺愛宣言
…その場に居なくなった私は一体どこへ?

「…モゴモゴ」

後ろから突然口を塞がれた私は、その場から少しだけ離れたところに連れていかれてようやく口だけ解放された。

「…み、御崎社長?!」

そう、そこから私を連れ出したのは零士だった。零士もまた、同じレストランに仕事で来ていた。

「…鼻の下が伸びてる」

零士の言葉に、怪訝な顔をする。

「…のばしてませんよ!失礼します!」

そう言って、捕まれている腕をほどこうとしたが、力では勝ず。

「…御崎社長、先輩がきっと私を探してますから、離してください」

「…それもそうだな。じゃあ行こう」
「…え?あの!」

困惑する私を連れ、零士が向かった先。

「…あ、渡辺さん何処に行ってた…御崎社長」

やっと見つかった私に安堵すると同時に、一緒に現れた零士に驚きを隠せない奏。

「…水嶋君だね」
「はい、そうですけど。あの、どうして御崎社長がここに…」

そう言いながら、奏の目線は私と零士の繋がれた手。

私はどうしていいか分からず。

「…率直に言わせてもらうが、渡辺満里奈には今後プライベートの誘いはご遠慮願おう」

零士の言葉に、私も奏も驚く。

「…御崎社長、そんな事」

私が反論しようとしたら、奏は私を見て首を降る。

「…御崎社長、渡辺さんは貴方の彼女ですか?違うなら、貴方が言うのはおかしいです。渡辺さん、困ってるじゃないですか?」

そう言うと、奏は私を引っ張った。

…意外にもすんなり零士は手を離した。
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