俺様社長の溺愛宣言
仕事復帰した満里奈を、総務課のみんなは歓迎してくれた。
休んでる間に、病気の事を課長から知らされた二人は、満里奈をとても気遣った。
満里奈は、甘えてはいけないと思いつつも、大きく出来た傷は、思いの外、引きつれて少し痛む時もある。
だから、悪いと思いつつも、甘えることにした。
「…御崎社長」
「…?!」
廊下を書類を持ち歩いてる満里奈に、零士を呼ぶ声が聞こえ、振り返った。
…久しぶりに見かける、零士の後ろ姿。
話すこともままならない。会社で顔を合わせることすら出来ない。
満里奈、胸に手をあてた。
こんなに直ぐ傍にいるのに、顔すら見ることが出来ないなんて。
声をかけるなんてもっての他だ。
『社長』と、『平社員』
今までは、零士から声をかけてくれていた。だから、会うことも、話すことも出来ていたけれど、今はもう、自分に気づきもしない。
「…零士さん」
名前を呼んだだけで、涙が出そうになる。零士が恋しくなる。
満里奈は、目尻を拭い、書類を抱え直し、目的のオフィスへと歩き出した。
…。
「…満里奈?」
「…社長、どうされましたか?」
中島と話をしていた零士は、ハッとしたかのように、満里奈の名を呼んだ。
突然満里奈の名を呼んだので、中島は驚いて零士を見る。
「…悪い。満里奈に呼ばれたような気がして」
そう言いながら、辺りをキョロキョロしたが、既に満里奈は居なくなっていた。
「…いませんね」
「…気のせいだな。満里奈はまだ、向こうにいるはずなのに」
…そうなのだ。
帰国したら、一番に、一馬から連絡が来る筈だった。
それなのに、一馬から連絡はない。
一馬と交わした約束とは。
休んでる間に、病気の事を課長から知らされた二人は、満里奈をとても気遣った。
満里奈は、甘えてはいけないと思いつつも、大きく出来た傷は、思いの外、引きつれて少し痛む時もある。
だから、悪いと思いつつも、甘えることにした。
「…御崎社長」
「…?!」
廊下を書類を持ち歩いてる満里奈に、零士を呼ぶ声が聞こえ、振り返った。
…久しぶりに見かける、零士の後ろ姿。
話すこともままならない。会社で顔を合わせることすら出来ない。
満里奈、胸に手をあてた。
こんなに直ぐ傍にいるのに、顔すら見ることが出来ないなんて。
声をかけるなんてもっての他だ。
『社長』と、『平社員』
今までは、零士から声をかけてくれていた。だから、会うことも、話すことも出来ていたけれど、今はもう、自分に気づきもしない。
「…零士さん」
名前を呼んだだけで、涙が出そうになる。零士が恋しくなる。
満里奈は、目尻を拭い、書類を抱え直し、目的のオフィスへと歩き出した。
…。
「…満里奈?」
「…社長、どうされましたか?」
中島と話をしていた零士は、ハッとしたかのように、満里奈の名を呼んだ。
突然満里奈の名を呼んだので、中島は驚いて零士を見る。
「…悪い。満里奈に呼ばれたような気がして」
そう言いながら、辺りをキョロキョロしたが、既に満里奈は居なくなっていた。
「…いませんね」
「…気のせいだな。満里奈はまだ、向こうにいるはずなのに」
…そうなのだ。
帰国したら、一番に、一馬から連絡が来る筈だった。
それなのに、一馬から連絡はない。
一馬と交わした約束とは。