First Love〜ベランダ越しの恋〜
ガラガラガラ…
「またベランダ超えてきたの?危ないからやめてって言ってるじゃん。」
「だってこっちの方が、わざわざ玄関から入るより早いし。」
そう言って、優人は慣れたように私の部屋に入る。
「…そろそろ、こういうのやめたら?里奈嫌がるよ?」
「大丈夫だろ。だって俺らが幼なじみで仲良いっての、里奈知ってんじゃん。」
『幼なじみ』
女として見てない。という、決定的な言葉。そうだよね。うちら、幼なじみだもんね。
「…それよりお前。今日告られたんだろ。」
「え?…」
ドキッとした。まさかそんな事を言われると思わなかったから…
一番知られたくない人に言われるなんて。
「……うん。」
「だと思った。で?断ったんだろ?」
は?断ったんだろ?って……なんで、断言してるの?
「な、なんで?」
「だって、あいつ良い噂聞かねぇもん。」
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