First Love〜ベランダ越しの恋〜
ヒュ〜……
ドンッ
パラパラパラ………
「わー!!最後の花火おっきかったね!」
「羽美。話したい事あるんだ。」
「ねぇ、焼きそば買いに行こう!お腹減っちゃった。」
「羽美!!」
「あ、ごめん!周りうるさくて聞こえなかった!さっき何か言った?」
「話したい事あるんだ。」
「え?何、あらたまって気味悪……い…」
私はこの時まで、3人で花火を見ていると思っていた。
でも2人が手を繋いでいるのを見て、私は1人で見ていたんだと気付いた。
3人でいるのに
1人でいるのと同じだと思った。
「俺達、付き合う事になったんだ。」
さっきまで騒がしかったはずが、私の周りだけ静かになったような気がした。
それは優人達にとって一瞬だったのかもしれない。でも、私にとっては何秒も、何分もその言葉が頭を支配しているように感じた。
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