First Love〜ベランダ越しの恋〜
花火大会から夏休みが終わるまでの一週間は、2人に会わないように、何かと理由を付けて誘いを断った。
夏休みが明けた頃は、クラスが一緒だから嫌でも2人を見てしまう事に、苦痛を感じていた。
でも、2週間たった今ではだいぶ慣れてしまった。
自分の心を押し殺すことに………
「羽美?どうしたの?元気ないぞ?」
「あ、ううん!なんでもないよ。そうだ!優人がさ、課題やってないらしいから、里奈見せてやってよ!私もまだ途中までしかやってないからさ。」
「お前も途中までしかやってないなら、まったくやってないのと同じなんだよ!」
「はぁ?私はやる意欲があったから途中までやってるんでしょうが!優人は最初から私達に頼る気だったんでしょ。」
「まぁまぁ。はい、優人くん!字汚いけど。」
「ありがとう!さすが里奈ちゃん!どっかの誰かさんとは大違いだわ。」
「何か言った?」
これでいい。
私と優人は、ずっとこんなバカやってる関係でいいんだ。
好きな人の幸せを願えなきゃ、自分が幸せになりたいなんて思っちゃダメなんだ。
私、2人とも大切だから、この気持ちはそっとしまっておくよ。
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