Magic of 12




「ごめん」


彼が呟いたのは、たったの3文字


…や、ごめんって……


予想してたシチュエーションとはあまりにも違っていたので、拍子抜けしてしまった


まぁでも、彼が決めたことだ

なにも言うつもりはない



「短かったけど、ありがとう」


とだけ言うと、彼は背負っていたスクールバックをかけ直し、踊り場から離れた


『去る者追わず』がモットーの私は、彼を追いかけるような無謀な事はしない


ただ、1度も振り返ることのなかった彼の背を見つめていた

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