鐘守りの少女と夢見る王子
「ひどいわ」
エリアルは涙を目いっぱいためて、絞り出すようにやっとそう一言言ったあと、マクベスから離れていった。
「あ……」
マクベスは言いすぎたことに気づいて手を伸ばしかけたが、震えるエリアルの背中が早く出て行けと言っているようで、それ以上近づくことができなかった。
壁のはしっこで蹲ってしまったエリアルにどう声をかけたらいいかわからなくて、マクベスはそっと塔を抜け出した。
「……」