鐘守りの少女と夢見る王子
代わりのもの……か……
マクベスが頭を悩ませていると、ロイドが顔を覗き込んできた。
「どなたか泣かせてしまったのですか?」
覗いてくるロイドを思いっきり睨みつけると、ぷいと顔をそらした。
「違う。ちょっと……どうするんだろうって思っただけ」
「そうですか。嘘ですね、誰か泣かせましたね」
「うるさいなぁもう!」
ここはスルーしてくれるところではないのか、とロイドのほうを振り向くと、彼は優しくマクベスの頭に手を置いた。
「大丈夫ですよ。あなたがそんなに頭を抱えて悩んでいるのですから、その想いを伝えればきっと許してくださいます」
マクベスは黙ってロイドを見上げた。
そして、しばらく間を置いたあとにこくりと小さく頷く。
明日、謝ってみよう。
顔を合わせるのが怖いけれど、
このままでは本当に嫌われたままになってしまうから。