鐘守りの少女と夢見る王子
「マクベス王子様! やっと見つけたと思ったら、こんなところに!」
「なんでここがわかったんだよっ!」
「足跡が残っておりました。さあ、お部屋に戻りますよ!」
「わかったから離せよ!」
もがくと、ロイドはやっと襟首を掴んでいた
手を離してくれた。
「ほら、ちゃんと勉強していただかないと。 あなたは未来の国王なのですからね」
ロイドに追い立てられながら、マクベスは嫌々足を動かす。
去り際にちらりと塔の中を窺ったが、そこにはもう少女の姿はなかった。