悠久のシャングリラ
「これ以上……?
その言葉だけでは、よくわからないな」
「そうだね。 他に聞こえたのは?」
(他……他には……)
必死に頭を捻る。
何度思い出そうとしても、
私が聞き取れたのはそれだけ。
その言葉しかわからなくてーー。
「すみません。
それぐらいしか……」
こんな曖昧で不確かなこと、
もしかしたら誰も信じてくれないかも。
そんな不安に駆られながら言ったので、
語尾がだんだんと小さくなっていく。
「もしかしたら、
何か重要なことかもしれないわね」
「だな。 欠片を見つける上で、
ヒントになるかもしんねぇし!」
「なら当面の目的は、
欠片集めと声の主を探すことだね」
私の言葉を疑うことなく、
聞いたこと前提で話が進んでいく。
信じてもらえないーー。
てっきりそう思っていた私は、
面食らってしまった。