悠久のシャングリラ


(本当にここから出られるんでしょうか……)


考えてもわからないだろうと思いながら、
どうしても考えてしまう。


ここは、どこなのだろう。


ここは、なんなのだろう。


どうして、化け物がいるのだろう。


どうして私たちはーーここにいるのだろう。


その時、鳳仙が振り返った。


「もういい頃合だし、
そろそろ戻ってみる?」

「…はい。 一通り見て周りましたしーー」







「きゃああっ!!」



私の声を遮って
高く響き渡る叫び声。


とても聞き覚えのある






ーー桔梗の声だった。

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