悠久のシャングリラ
『わかった。 いいよ』
『わーい! ありがとう、隼人!』
『まったく。 隼人は咲夢梨に甘すぎるわ』
『とか言うキミも、ついて行くんでしょ。
……明智殿?』
『今度その呼び方したら、殴るわよ』
咲夢梨ーー幼い私は、
女の子を引き寄せ抱きしめる。
『そうだよ!
明智じゃなくて、瑠璃だよね〜!』
『え、ええ。 そうだけど……。
って、咲夢梨! ちょっと苦しいわ!』
瑠璃(るり)と呼ばれた女の子は、
どこか桔梗の雰囲気と似ていて……。
少しつり上がった目が印象的の、
私がよく知る桔梗そのものだった。