悠久のシャングリラ


だからこそ、
なんでも素直に意見してくれることが
何よりも嬉しかった。

こんなに詳しく書いてくれたのは、
嬉しい誤算だけど……。

物語を書き終えるまでは、
みんなには秘密にしておきたい。

そして出来上がったら、
あっと驚かせてあげるんだ。


『きゃっ!』

『ははっ、だーれだ!』

『……もしかして、奈琉?』

『おお、すごいな!
どうしてわかったんだ? エスパーか?』

『違うよ。 手におまめさん出来てたから、
奈琉だろうなって予想しただけ』

『なるほどな。 それは迂闊だった……』

『そうだ、奈琉。
昨日聞いた質問、考えてきてくれた?』

『ん? ああ、どんな本が読みたいか、か。
ちゃんと考えてきたぞ! 俺のはな……』

『うんうん』

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